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遊び方と習慣

デジタルデトックスは効果がある?実験でわかったこと

1週間スマホを断つのは健康的に聞こえますが、デジタルデトックスの試験の結果はまちまちです。役立つこと、役立たないこと、そしてその理由を紹介します。

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藍色の壁にブロックが浮かぶなか、FlurryとMossが、Cherry Blossom Townをくねくね進むOutBrickのジャーニーマップを映したiPhoneの横にいます
ジャーナルのイラスト

デジタルデトックスは、ちょっとした産業になりました。スマホ禁止の合宿、鍵のかかる箱、ほかのアプリをブロックするアプリ。その約束はわかりやすいものです。画面のせいで不安になり気が散るのなら、画面から離れれば落ち着いて集中できるはず。そしてこれは確かめることができ、研究者は実際に確かめてきました。一定の期間、スマホや特定のアプリを手放してもらい、何が起きるかを測るのです。結果は宣伝文句よりもまちまちで、そのパターンは、本当に役立つものについて多くを語っています。

デジタルデトックスとは何か

Radtkeらは、デジタルデトックスを、スマートフォンなどの電子機器から離れる時間と定義しています。完全に離れる場合もあれば、SNSやメッセージのような特定の使い方だけ離れる場合もあります。Mobile Media & Communicationに発表された彼らのシステマティックレビューは、合計3,625人が参加した21の介入研究を集めており、そのうち12はランダム化比較試験でした。

いちばんの発見は、ばらつきでした。健康とウェルビーイング、人間関係、セルフコントロール、成果への効果は、研究によって違っていました。効果が見られた研究もあれば、効果がなかった研究もあり、いくつかではウェルビーイングが悪くなっていました。著者らは、しくみはよくわかっていないと結論づけています。どのデトックスがだれに効くのか、まだだれにもわからない、ということを丁寧に言いかえたものです。

このばらつきは、ある程度、考え方そのものに組みこまれています。デトックスといっても、デバイスなしの週末もあれば、Instagramなしの1か月も、スマホを別の部屋に置いた一晩もあります。研究では、さまざまな人を対象に、さまざまなバージョンが試されました。それらを平均するのは、「食生活を変える」ことが体にいいかをたずねるのに少し似ています。答えは、何を変えるか、そして何に変えるかでまったく違ってきます。

出典1Radtke, T., Apel, T., Schenkel, K., Keller, J., & von Lindern, E. (2022). Digital detox: An effective solution in the smartphone era? A systematic literature review. Mobile Media & Communication, 10(2), 190–215.

減らして効果があったとき

もっともよく引用されるプラスの結果は、ペンシルベニア大学のHuntらによるものです。1週間のベースライン測定のあと、学部生143人をランダムに分け、Facebook、Instagram、Snapchatをそれぞれ1日10分に制限するか、いつもどおり使うかを3週間続けてもらいました。制限したグループは、対照グループにくらべて、孤独感と抑うつが大きく減ったと報告しました。

見落としやすいのは、どちらのグループも、最初より不安と「取り残される不安(FOMO)」が減ったと報告していたことです。著者らは、自分の利用を記録すること自体が役立ったのではないかと述べています。学生を対象とし、結果も自己申告のひとつの研究にすぎませんが、気づくことが効き目の一部なのかもしれない、というヒントになっています。

Vanmanらは、もっと両刃の剣のような効果を見いだしました。Facebookをよく使う138人のうち、5日間やめるよう言われた人たちは、使いつづけた人たちよりストレスホルモンのコルチゾールの値が低くなりましたが、生活満足度も低くなりました。ストレスの源を取りのぞくと、つながりの源も取りのぞかれたのです。

出典2Hunt, M. G., Marx, R., Lipson, C., & Young, J. (2018). No more FOMO: Limiting social media decreases loneliness and depression. Journal of Social and Clinical Psychology, 37(10), 751–768.3Vanman, E. J., Baker, R., & Tobin, S. J. (2018). The burden of online friends: The effects of giving up Facebook on stress and well-being. The Journal of Social Psychology, 158(4), 496–508.

やめても違いがなかったとき

ほかの慎重な試験では、何も見つかりませんでした。Hallらは130人をランダムに分け、いつもどおりSNSを使いつづけるか、1週間、2週間、3週間、4週間のいずれかのあいだ控えてもらい、そのあいだずっと孤独感、ウェルビーイング、その日の質を毎日日記につけてもらいました。控えても違いはなく、控えた期間の長さでも違いはありませんでした。著者らは、これは大規模な調査で見られるごく小さな効果と合っていると述べています。

スマホはSNS以上のものです。そして、スマホは依存性のある薬物のように作用する、という考えが、デトックスの売り文句の背景にあることもよくあります。Wilcockson、Osborne、Ellisはそれを直接確かめるため、スマートフォンの利用者に24時間スマホなしで過ごしてもらい、気分、不安、渇望を何度か測りました。変わったのは渇望だけでした。気分と不安は変わらず、著者らは、スマホをよく使うことは、この意味での依存の基準を満たしていなかったと論じています。

出典4Hall, J. A., Xing, C., Ross, E. M., & Johnson, R. M. (2021). Experimentally manipulating social media abstinence: Results of a four-week diary study. Media Psychology, 24(2), 259–275.5Wilcockson, T. D. W., Osborne, A. M., & Ellis, D. A. (2019). Digital detox: The effect of smartphone abstinence on mood, anxiety, and craving. Addictive Behaviors, 99, 106013.

結果がばらばらな理由

これらの研究を並べてみると、いくつかの説明が浮かんできます。まず、何を取りのぞくかが大切です。特定のアプリを制限することと、カレンダーや地図や家族とのグループチャットも入っているデバイスを手放すこととは違います。次に、空いた時間を何で埋めるかが大切です。フィードから離れた1時間が睡眠や散歩の1時間になるのと、取り残された気分の1時間になるのとは同じではありません。

3つめに、ほとんどの研究は短期間で、対象は学生、自己申告に頼っています。そしてスクリーンタイムの思い込みで取り上げたように、人は自分の画面の使い方をうまく判断できません。期待も影響します。SNSをやめる研究に申しこむ人は、たいてい研究者が何を見つけたいのかを知っていますし、自分が何かを手放したグループにいるかどうかを参加者に隠すのは困難です。最後に、デトックスはそもそも一時的なものです。1週間離れても、戻ってくるアプリのデザインも、そこへ向かわせた習慣も変わりません。日々の習慣が実際にどうでき、どう変わるのかは、習慣が身につくまでの期間をご覧ください。

出典1Radtke, T., Apel, T., Schenkel, K., Keller, J., & von Lindern, E. (2022). Digital detox: An effective solution in the smartphone era? A systematic literature review. Mobile Media & Communication, 10(2), 190–215.2Hunt, M. G., Marx, R., Lipson, C., & Young, J. (2018). No more FOMO: Limiting social media decreases loneliness and depression. Journal of Social and Clinical Psychology, 37(10), 751–768.3Vanman, E. J., Baker, R., & Tobin, S. J. (2018). The burden of online friends: The effects of giving up Facebook on stress and well-being. The Journal of Social Psychology, 158(4), 496–508.

代わりに、もっと小さな実験を

スマホとの付き合い方を変えたいなら、証拠が支持しているのは、劇的な1週間のオフラインよりも、的をしぼり、好奇心をもって試すことです。自分を対象にした実験だと考え、はっきりした問いを立てましょう。どの使い方をすると気分が悪くなるのか、そして代わりに何をしたいのか。

いちばんいい代わりのいくつかは、テクノロジーとは無縁のものです。外で過ごす時間にはそれ自体の研究があり、注意回復と落ち着いた風景で紹介しています。また、上のFacebookの研究は、人とのつながりは削るものではなく守る価値があるものだと思い出させてくれます。

ゲームも、ほかのものと同じように見きわめる価値があります。やめたいときに終わり、離れているあいだは何も求めず、手放しても何も失わないゲームは、引き戻すようにつくられたゲームよりも、ほどよい距離を保ちやすいものです。それが私たちがOutBrickに課している基準です。ステージにははっきりした終わりがあり、終わりのないフィードではなく今日のボードが1つだけ。そして遊ぶときとスマホを置くときを、わかりやすい言葉で示しています。

  • 何かを変える前に、1週間、デバイスのスクリーンタイムの記録を確かめる。
  • スマホ全体ではなく、気になる1つか2つのアプリを制限する。
  • 空いた時間を何に使うかを決める。睡眠、散歩、電話、本。
  • 大切な人とつながるためのものは残す。
  • 数週間後にふり返り、違いを生んだ変化だけを続ける。

出典2Hunt, M. G., Marx, R., Lipson, C., & Young, J. (2018). No more FOMO: Limiting social media decreases loneliness and depression. Journal of Social and Clinical Psychology, 37(10), 751–768.4Hall, J. A., Xing, C., Ross, E. M., & Johnson, R. M. (2021). Experimentally manipulating social media abstinence: Results of a four-week diary study. Media Psychology, 24(2), 259–275.

よくある質問

役に立つ答えをいくつか

デジタルデトックスでメンタルヘルスはよくなりますか?

証拠はまちまちです。21の研究をまとめた2022年のシステマティックレビューでは、ウェルビーイングがよくなったデトックスもあれば、違いがなかったものも、いくつかは悪くなったものもありました。

SNSは完全にやめるより、減らす方がいいですか?

ある試験では、3つのSNSアプリをそれぞれ1日10分に3週間制限すると、孤独感と抑うつが減りました。別の試験では、最長4週間完全に控えても、毎日のウェルビーイングに違いはありませんでした。

デジタルデトックスはどのくらいの期間やればいいですか?

理想の長さを示す証拠はありません。ある実験では、SNSを1週間、2週間、3週間、4週間控えても、毎日のウェルビーイングに違いは出ませんでした。どれだけ長くやめるかより、何を変えるかの方が大切です。

スマホの利用は依存症ですか?

ほとんどの人については、証拠はそれを支持していません。ある研究では、スマートフォンなしの24時間で渇望は増えましたが、気分や不安は変わりませんでした。著者らは、これは依存の基準に届かないと論じています。

APA 7

参考文献

参考文献は原語のまま記載しています。出典が研究ではなく、スタジオ自身の歴史や報道記事である場合は、本文の該当箇所でその旨を明記しています。

  1. Radtke, T., Apel, T., Schenkel, K., Keller, J., & von Lindern, E. (2022). Digital detox: An effective solution in the smartphone era? A systematic literature review. Mobile Media & Communication, 10(2), 190–215. doi.org/10.1177/20501579211028647(新しいタブで開きます)
  2. Hunt, M. G., Marx, R., Lipson, C., & Young, J. (2018). No more FOMO: Limiting social media decreases loneliness and depression. Journal of Social and Clinical Psychology, 37(10), 751–768. doi.org/10.1521/jscp.2018.37.10.751(新しいタブで開きます)
  3. Vanman, E. J., Baker, R., & Tobin, S. J. (2018). The burden of online friends: The effects of giving up Facebook on stress and well-being. The Journal of Social Psychology, 158(4), 496–508. doi.org/10.1080/00224545.2018.1453467(新しいタブで開きます)
  4. Hall, J. A., Xing, C., Ross, E. M., & Johnson, R. M. (2021). Experimentally manipulating social media abstinence: Results of a four-week diary study. Media Psychology, 24(2), 259–275. doi.org/10.1080/15213269.2019.1688171(新しいタブで開きます)
  5. Wilcockson, T. D. W., Osborne, A. M., & Ellis, D. A. (2019). Digital detox: The effect of smartphone abstinence on mood, anxiety, and craving. Addictive Behaviors, 99, 106013. doi.org/10.1016/j.addbeh.2019.06.002(新しいタブで開きます)

執筆

OutBrick Editorial Desk

OutBrick編集部は、プレイヤー研究、アクセシビリティの実践、ゲームづくりで得た学びを、役に立って読みやすいノートにまとめています。

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