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OutBrick実践

すきま時間のスマホゲーム:待ち時間に合う遊び方

行列、駅のホーム、待合室。一日のすきま時間のスマホ利用についての研究から、それに合うゲームの条件と、その数分を自分のものにしておく方法を考えます。

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藍色のブロックの壁の前で、ニット帽とマフラー姿のFlurryとSproutが、OutBrickの画面を映したスマートフォンをはさんで立っています
ジャーナルのイラスト

スマホで遊ぶ時間の多くは、1時間の余裕があるソファの上ではありません。薬局の行列で、電車が遅れているホームで、予約の前の待合室で、子どもたちがやっと寝たあとの数分で遊ばれています。こうしたすきま時間は短く、いつ来るかわからず、中断だらけです。そしてヒューマン・コンピュータ・インタラクションの研究者たちが、驚くほど細かく調べてきました。その発見は、なぜすきま時間にぴったり収まるゲームがある一方で、すきま時間に飲みこまれたような気分にさせるゲームがあるのかを説明してくれます。

すきま時間のかたち

Denzil Ferreiraらは、21人のスマホ利用を3週間記録し、そのうち15人については、使っているその瞬間に送る短いアンケートでさらに詳しく追いました。アプリの起動の約40%は15秒未満でした。彼らはこうした短い利用をマイクロユーセージと呼び、それが移動中だけでなく、自宅でひとりのときにいちばん多く起きていることを見いだしました。

Barry Brown、Moira McGregor、Eric Laurierは別の方法をとり、iPhoneの画面と、ユーザーのまわりで起きていることを映したウェアラブルカメラの映像をあわせて記録しました。彼らの結論は、スマホを世界からの非常口とみなすイメージに異を唱えるものです。スマホの利用は、人がしているほかのことすべてに織りこまれていて、会話や移動や用事の都合に合わせて中断され、また再開されていました。すきま時間は、きれいに閉じた泡ではありません。まわりの世界と共有されているのです。

Stephan EnglとLennart Nackeは、ゲームについて似た教訓を引き出しました。彼らのモバイルのプレイヤー体験モデルは、状況を中心に置いています。どこにいるか、どれだけ時間があるか、まわりに誰がいるか、自分がどんな状態か。そのすべてが、ゲームそのものと同じくらい体験を形づくるのです。ソファでは楽しいゲームが、混んだバスではみじめなものになることもあります。

出典1Ferreira, D., Goncalves, J., Kostakos, V., Barkhuus, L., & Dey, A. K. (2014). Contextual experience sampling of mobile application micro-usage. In Proceedings of the 16th International Conference on Human-Computer Interaction with Mobile Devices & Services (pp. 91–100). ACM.2Brown, B., McGregor, M., & Laurier, E. (2013). iPhone in vivo: Video analysis of mobile device use. In Proceedings of the SIGCHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1031–1040). ACM.3Engl, S., & Nacke, L. E. (2013). Contextual influences on mobile player experience – A game user experience model. Entertainment Computing, 4(1), 83–91.

時間をつぶすこと、時間につぶされること

Alexis Hinikerらは、スマホの使い方を2種類に分けました。道具的な利用は目的のあるもので、時刻表を調べる、メッセージに返信する、などです。儀式的な利用は習慣的で気晴らしのためのもので、時間をつぶす、何かないか見てみる、などです。43人を2週間記録したところ、利用のパターンだけからこの2つをかなりの精度で見分けられることがわかりました。実際の使い方がそれだけ違って見えるということです。

儀式的な利用は、それ自体が悪いわけではありません。待ち時間を何か楽しいもので埋めるのは、娯楽のもっとも古い使い方のひとつです。危ないのは、流されることです。Antti Oulasvirtaらは確認のクセについて述べています。すぐに見られるコンテンツをごく短く、くり返しちらっと見る行動で、それがときにもっと長い利用を引き起こします。バス停での5分として始まったすきま時間が、家に帰ってからの20分のスクロールになるのです。

心地よい暇つぶしと、流されるクセを分けるのは、多くの場合、その活動に終わりがあるかどうかです。より広い問いはゲームが習慣になるしくみで扱っています。ここでの実際的なポイントは、すきま時間には、いつ終わるかを知っているゲームが必要だということです。

出典4Hiniker, A., Patel, S. N., Kohno, T., & Kientz, J. A. (2016). Why would you do that? Predicting the uses and gratifications behind smartphone-usage behaviors. In Proceedings of the 2016 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing (pp. 634–645). ACM.5Oulasvirta, A., Rattenbury, T., Ma, L., & Raita, E. (2012). Habits make smartphone use more pervasive. Personal and Ubiquitous Computing, 16(1), 105–114.

ほかの人も状況の一部

一日のすきま時間が、完全にプライベートであることはめったにありません。隣の席には知らない人がいて、袖を引っぱる子どもがいて、いつ名前を呼ぶかわからない受付の人がいます。EnglとNackeは、場所や時間と並べて、社会的な状況をモバイルの遊びを形づくる力のひとつに挙げていますし、Brownらは、スマホの利用がまわりの人に合わせて絶えず調整されていることを観察しました。

これには実際的な意味があります。音が必要なゲームは、静かな電車では気まずいものです。光ったり揺れたりするゲームは、人の視線を集めます。両手の親指と全神経を要求するゲームは、荷物を持っていたり、よちよち歩きの子に片目を配っていたりすると遊びにくいものです。そして目を離すと罰を与えるゲームは、自分が遊ばれている状況そのものと戦っていることになります。

すきま時間のための最高のゲームは、ある意味で礼儀正しいのです。初期設定で静かで、片手で状況が読めて、世界があなたを少し必要とするときには辛抱強く待ってくれます。待つことの社交的な面にも余地を残してくれます。質問に答えるためにふと顔を上げられたり、何をしているのか見たがる隣の人に画面を傾けて見せたりできるゲームです。

出典3Engl, S., & Nacke, L. E. (2013). Contextual influences on mobile player experience – A game user experience model. Entertainment Computing, 4(1), 83–91.2Brown, B., McGregor, M., & Laurier, E. (2013). iPhone in vivo: Video analysis of mobile device use. In Proceedings of the SIGCHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1031–1040). ACM.

すきま時間に合うゲームの条件

研究を合わせると、チェックリストが見えてきます。どれも特別なものではありません。すきま時間が求めるものを、そのまま並べただけです。

  • すぐに始まる。アイコンからワンタップで遊べる状態になる。
  • 中断のあとで画面に戻ったとき、ひと目で状況がわかる。
  • 時間制限がないので、中断されても1回分を失うことがない。
  • 1回が短く、はっきり終わるので、スマホをしまうタイミングがわかる。
  • 待合室や地下のホームは電波が弱いことが多いので、オフラインで遊べる。
  • 注意がほかに向いているあいだに、勝手に何かが再生されたりポップアップしたりしない。

出典3Engl, S., & Nacke, L. E. (2013). Contextual influences on mobile player experience – A game user experience model. Entertainment Computing, 4(1), 83–91.1Ferreira, D., Goncalves, J., Kostakos, V., Barkhuus, L., & Dey, A. K. (2014). Contextual experience sampling of mobile application micro-usage. In Proceedings of the 16th International Conference on Human-Computer Interaction with Mobile Devices & Services (pp. 91–100). ACM.

OutBrickはすきま時間をどう扱うか

私たちはOutBrickをまさにこうした瞬間のためにつくりました。上の研究は、それを公平に試すテストになります。ステージは数分で終わります。手数の上限と目標手数はあっても、時間制限はありません。だから名前を呼ばれたらスマホをロックして、あとでやめたところからステージに戻れます。どのステージも最初のアンドゥは無料なので、あわてて打った一手も取り返せます。オフラインで遊べます。広告は自分で選んで見るリワード動画だけなので、発車案内の掲示板を見ているあいだに何かが勝手に再生されることはありません。

以前の記事通勤のための2分パズルでは、2分間のセッションのデザインを詳しく紹介しています。今このすきま時間にひとつ試してみたいなら、今日のボードがブラウザで遊べます。

その数分を自分のものにしておく

一日のすきま時間は小さくても数が多く、その使い方は積み重なります。1日に数回、10分ずつの待ち時間があれば、1週間で数時間になります。その時間を最適化する必要は誰にもありませんが、それが自分を休ませているのか、楽しませているのか、ただ散らかしているだけなのかには、気づいておく価値があります。いくつかの習慣が、流されずに心地よく過ごす助けになります。

始める前に単位を決めましょう。ステージ1つ、パズル1問、1ラウンド。待ち時間の終わりを、ゲームの終わりにしましょう。そして、ときにはスマホをポケットに入れたままにしておきましょう。待合室を見回したり、電車の窓の外を眺めたりするのも、それ自体ひとつの休息です。遊ぶとき、スマホを置くときのガイドは、この記事の良い相棒になります。

出典5Oulasvirta, A., Rattenbury, T., Ma, L., & Raita, E. (2012). Habits make smartphone use more pervasive. Personal and Ubiquitous Computing, 16(1), 105–114.4Hiniker, A., Patel, S. N., Kohno, T., & Kientz, J. A. (2016). Why would you do that? Predicting the uses and gratifications behind smartphone-usage behaviors. In Proceedings of the 2016 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing (pp. 634–645). ACM.

よくある質問

役に立つ答えをいくつか

人が待ち時間にスマホゲームをするのはなぜですか?

待ち時間は短くて予測できないすきまを生み、スマホはいつも手元にあるからです。研究者は、こうした利用の多くを、何かを達成するためではなく時間をつぶすための儀式的なものと説明しています。短いゲームは、待ち時間を心地よいものにしてくれます。

短い休憩に合うゲームとはどんなものですか?

すぐに始まり、ひと目で状況がわかり、時間制限がなく、1回ごとにはっきり終わり、オフラインで遊べるゲームです。こうした性質があれば、中断されても何も失わず、待ち時間が終わったらスマホを置けます。

スマホを使う1回の時間は、ふつうどれくらいですか?

とても短いです。ある研究では、アプリの起動の約40%が15秒未満でした。ゲームにはもう少し時間が必要なので、短く完結したラウンドがすきま時間にいちばん合っています。

ちょっとのつもりのゲームが1時間にならないようにするには?

ステージ1つ、1ラウンドなど、始める前に単位を決め、終わりがはっきりしたゲームを選びましょう。待ち時間の終わりをゲームの終わりにすると、習慣を自分でコントロールしやすくなります。

APA 7

参考文献

参考文献は原語のまま記載しています。出典が研究ではなく、スタジオ自身の歴史や報道記事である場合は、本文の該当箇所でその旨を明記しています。

  1. Ferreira, D., Goncalves, J., Kostakos, V., Barkhuus, L., & Dey, A. K. (2014). Contextual experience sampling of mobile application micro-usage. In Proceedings of the 16th International Conference on Human-Computer Interaction with Mobile Devices & Services (pp. 91–100). ACM. doi.org/10.1145/2628363.2628367(新しいタブで開きます)
  2. Brown, B., McGregor, M., & Laurier, E. (2013). iPhone in vivo: Video analysis of mobile device use. In Proceedings of the SIGCHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1031–1040). ACM. doi.org/10.1145/2470654.2466132(新しいタブで開きます)
  3. Engl, S., & Nacke, L. E. (2013). Contextual influences on mobile player experience – A game user experience model. Entertainment Computing, 4(1), 83–91. doi.org/10.1016/j.entcom.2012.06.001(新しいタブで開きます)
  4. Hiniker, A., Patel, S. N., Kohno, T., & Kientz, J. A. (2016). Why would you do that? Predicting the uses and gratifications behind smartphone-usage behaviors. In Proceedings of the 2016 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing (pp. 634–645). ACM. doi.org/10.1145/2971648.2971762(新しいタブで開きます)
  5. Oulasvirta, A., Rattenbury, T., Ma, L., & Raita, E. (2012). Habits make smartphone use more pervasive. Personal and Ubiquitous Computing, 16(1), 105–114. doi.org/10.1007/s00779-011-0412-2(新しいタブで開きます)

執筆

OutBrick Editorial Desk

OutBrick編集部は、プレイヤー研究、アクセシビリティの実践、ゲームづくりで得た学びを、役に立って読みやすいノートにまとめています。

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